自転車キャンプに向いている自転車とは
たとえば自宅から30kmをロードバイクで走り、野営地でソロキャンプを楽しんだあと30km走って自宅に帰るとします。
この写真では少しわかりにくいのですが、ロードバイクにリアキャリアを取り付け、ORTLIEBのパニアバッグを装着しキャリアの上にはテントとスリーピングマットを縛り付けてあります。
行き先はキャンプ地ではないのできれいな水を確保することができないため、ペットボトルの水を2リットルパニアバッグの中に入れてあります。
ロードバイクはロングライドに適しているエンデュランスロードと言われるモデルです。これにタイヤを頑丈なSCHWALBEのマラソンにし、タイヤの耐久性はかなり上がっています。
この時の野営地までの距離は30km、ロードバイクでのんびり走るような時速20kmで走っても1時間半以上かかるような距離です。実際は荷物の多さに車道を走ってふらついたら危ないと思い、できるだけ歩道を注意しながら走ったのですが…
歩道の段差を超えるたびにハンドルを取られパンクが怖いのでスピードは落ち、速度を回復させようとするため足の疲労が激しくなりました。30km走ったらもうすでにクタクタ、キャンプを楽しむどころか疲労困憊でぐったり。
自転車キャンプに不向きな自転車、向いている自転車
私がロードバイクを買った3年前、キャンプという趣味も持っていませんでした。
ロードバイクに買い替えてからは自宅から往復100kmほどの京都往復や200kmの琵琶湖一周など「ロードバイクの魅力を引き出す」ような乗り方をいろいろしてきたのです。それはまさに「早く楽に目的地に着く」ために作られたような自転車にあった乗り方。
しかし今回私が使おうとしている「キャンプにいく自転車」としてロードバイクを考えるといろいろ問題がでてきます。
ロードバイクでキャンプ?
- 荷物をたくさん積むためのキャリアをつける穴が開いていない(別の方法で解決できる)
- 太いタイヤを履く想定をしていない設計のため、細いタイヤしか履くことができない
- リムブレーキだと重い荷物を積むと下り坂でなかなか止まれない
- 重さを気にして積んでいくことができないギヤがでてくる
- 高額なロードバイクを駐車してキャンプすると自転車が心配になる
もちろんこれは「ロードバイクではキャンプに行くことができない」というものではありません。私のロードバイクのフレームがアルミで固く、衝撃を体が受けとめやすいこと、細いタイヤを履いているので高圧になりカチカチなため地面の凸凹の感触を掴みすぎるところがあります。
ロードバイクを含めいろいろな自転車に乗ってきた私。長所と短所はだいたいわかるつもりです。
自転車の分類を大雑把に「ママチャリ、クロスバイク、マウンテンバイク、ロードバイク、グラベルロードバイク」と分けて考えてみます。
ママチャリと自転車キャンプ
【メリット】お手頃な価格、荷物が積みやすい、タイヤが太い
【デメリット】パンクするとお手上げ、長距離、坂、悪路が苦手
自宅近くのキャンプ場で最低限のキャンプ、UL(ウルトラライト)なギヤでのキャンプならいけるかもしれません。
真冬で大量の防寒ギアを積んでキャンプ、となると荷物が積みきれないかと。
クロスバイクで自転車キャンプ
ママチャリよりも軽快に走れるクロスバイク。スポーティーな走りもできるので最近人気です。
価格も手頃で自転車キャンプにも使えそうですが…
【メリット】ちょっと遠くまで行くのにもママチャリよりも楽
【デメリット】荷物を沢山積む仕様になっていない(ことがおおい)、太いタイヤはあまり履けない
軽快さを求めることが多いので、重い荷物を積むのが苦手です。
クロスバイクにも種類がたくさんあり、中にはキャンプに行けるような装備になっているものも。
もしクロスバイクでキャンプに行きたいと考えるならこんなチェックポイントで選ぶと良いと思います。
- 太いタイヤを履けること
- 荷物を積むためのキャリアをとりつける「ダボ穴」がフレームにあいていること
- 荷物を沢山つんでもブレーキがしっかり掛かる「ディスクブレーキ」を装備していること
キャンプに行くことも想定した自転車としての一つの例ですが、MARIN(マリン)というブランドの「NICASIO(ニカシオ)」がおすすめ。
丈夫なクロモリ(鉄)フレームに太いタイヤ、8段変速でキャリアをつけるためのネジ穴がたくさんとりつけられています。ブレーキも油圧のディスクブレーキなので重い荷物を取り付けていてもしっかりと止まることができます。
以前私が乗っていたMTBはクロスバイクに似た形状のものでした。これもMARINの自転車です。
普段の生活でもクロスバイクに乗りたい、ちょっとキャンプやアウトドア、未舗装路(グラベル)なども走ってみたいという方にはニカシオのような太いタイヤのクロスバイクがとてもおすすめです。
ただしロードバイクのような片道100kmを超えるようなロングライド+キャンプ、というのはちょっとしんどいかも。
マウンテンバイクで自転車キャンプ
マウンテンバイクは太いタイヤで悪路走破性が高く、自転車に乗るポジションも比較的楽なので自転車キャンプに向いている気がしますが、荷物の積載が難しいので大型リュックにキャンプ道具を入れたり走破性を犠牲にしてバイクパッキング(後述)するかになります。
一時乗っていましたが、長距離だと非常に疲れるので遠くまで行くキャンプには向いていないです。
ロードバイクで自転車キャンプ
長距離を速く走れるロードバイクでキャンプ、これは最初に触れた通りです。
細いタイヤはロングライドには向いていますがキャンプギヤを積むには不向きでキャリアをつけるダボ穴もボトルケージを取り付ける部分くらいかと思います。
以前に比べるとディスクブレーキの普及で30Cのタイヤなどを履けるロードバイクも増えてきたこともあり、キャリアを使わない「バイクパッキング」を使った軽量ギヤのキャンプなら十分可能かと思います。
バイクパッキングはこちらの記事をご参考に…
グラベルロードバイクで自転車キャンプ
そして紆余曲折した結果、乗り換えたのが今のグラベルロードです。
グラベルロードバイクとは…
- 長距離走りやすいロードバイクのような形
- たくさん荷物を詰めるように太いタイヤを装着可能
- 前後にキャリアなどを取り付けやすくするためにダボ穴(ネジ穴)がたくさんある
- たくさんの荷物を積んでもしっかりとまれるディスクブレーキを採用
まさに自転車キャンプにぴったりな1台です。
10万円くらいから50万円超と価格はいろいろですが、自分のスタイルに合わせて選べるのでぜひチェックしてみてください。
どんなグラベルロードを選んだらいいか、ちょっと興味が湧いた方はぜひこちらの記事からご覧ください。
自転車購入に迷ったら自転車ショップに相談するのも良いと思います。