粉末を熱湯で溶くチェーンディグリーザーは洗浄効果も高く多用途
グラベルロードバイクに乗ってる私は自転車を汚してなんぼ、という乗り方。雨の日の自転車通勤、山の中の散策など汚すために自転車に乗っているみたい。
フレームの洗車だけなら中性洗剤でさっと済ませるのですが、やっかいなのがチェーンの油汚れやディスクブレーキの「鳴き」の問題。
中性洗剤がいい、ディグリーザーがいい、いや煮沸するといい等方法はいろいろ、でも正直どれもあまり効果があまりありませんでした。
ディスクブレーキ鳴きの原因は油分や汚れの付着が原因などというので、洗車のときにゴシゴシはしてたんですが、もしかするとブラシの油分を逆につけてしまっていたのかもしれません。
ちょうど使っていたものがなくなったのでチェーンやディスクブレーキの洗浄に良さそうなものはないかなと考えていたときにたまたま見かけたのがGOTALさんのX(元Twitter)。
公式Twitter
いきなり話しかけたのにすぐお返事をいただきまして。
250ccの沸騰したお湯に付属スプーン1杯をよく溶かし10分ほど漬け込んでください。先にパッド面を少しサンドペーパーなどで撫でておくと効果的です。残った洗浄液を刷毛などでディスクに塗ってよく水で流してください。
— GOTAL-TOKYO (@gotal_tokyo) November 12, 2022
チェーンの洗浄以外にも使えるし具体的に方法まで教えていただいたら買うしかない!!
ということでAmazonで早速購入したのです。さて、その噂の商品「チェーンディグリーザーの素」とはどんな商品なのでしょう。
「チェーンディグリーザーの素」とは?
社長さんが自転車に乗っていて、タイヤやチェーンなどの消耗品を沢山使う中で達した結論が商品開発の元になっているなんて素敵。
如何に消耗品代を抑えるかを考えた末の結論は「忠実な脱脂洗浄・給油こそ消耗を抑える」でした。
引用元:「GOTALとは」
化学の難しいことは僕にはわかりませんが、アルカリ性でチェーンなどを洗浄するようです。詳細は是非ホームページで😉
よく売ってるディグリーザーと違うのは「粉末」であること、その粉末を熱湯(80℃)で溶かして使うことでしょう。
温水のほうが洗浄効果は高くなりますし、自宅で洗浄するならポットのお湯をそのまま使えるので特に問題はありません。ただし、熱湯と粉末を溶かすための容器は自分で用意する必要があります。
熱湯に耐えられるプロテインシェイカーなどでもいいのですが、熱湯で溶いて数分間ガスが発生します。
こんなシリコンバッグが便利です。シリコンゴムなので熱湯にも耐えられるしガスが発生しても膨らむ余裕があります。
上の部分を少し手で折り曲げて隙間から洗浄剤が漏れ出ないようにすること、さらに万全を考えると使い捨てビニールに入れると安全です。
とある日曜日、Amazonで商品が無事届いたので洗浄してみることにしました。
「チェーンディグリーザーの素」の使い方
届いたチェーンディグリーザーの素です。
500gの粉末に専用のスプーンが入っています。250mlのお湯にスプーン一杯の粉末ということで…この袋一つ(3000円弱)で約35回の洗浄に使えるとのこと!
ちなみに今まで使っていたディグリーザーは一本およそ1200円で、チェーンやスプロケまわりに使用しているとおよそ3回ほどで使い切っていたので一回あたり400円くらいの計算。
私が購入したとき2800円だったので、35回使えれば1回あたり100円未満で洗えてしまう高コスパ!!
さて、実際に使ってみましょう。
基本的な洗浄液は「専用スプーン1杯を250ccのお湯で溶く」ものになります。
1.チェーンの洗浄に
洗浄液にチェーンを漬け込んで15分放置する方法と、洗浄機を使う方法があります。
オススメはチェーンを外して15分漬け込む方です。チェーンをミッシングリンクで接続している人ならそれほど難しくないと思います。
ちなみに私はミッシングリンク外しにこちらを使っています。
さて、これが外れたチェーン。油と花粉と泥と砂利といろんなものが混ざってドロドロです。当然ですがウエスなどで擦っても取れるものではありません。さらにこの油と砂利などの混合物はチェーンに大きなダメージを与えます。チェーンの寿命が低下します。
中性洗剤ではこの油は落ちないし、ディグリーザーをたっぷり使ったら落ちるかな、位の汚れです。
これを洗浄していきます。シェイクできるボトルに熱湯250ccと専用スプーン1杯の粉末を混ぜて洗浄液を作ります。洗浄液を作った時にガスが2分程出るので収まるまで待ちシャカシャカ振ります。
この写真ではGOTALさんにもらったシェイカーをつかっていますが、万が一洗浄液が飛んだりしないようにビニール袋をかぶせてからシェイクしています。
汚れが落ちたらすすぎます。私の場合は洗面台でお湯を使って3回ほどシェイク。
チェーンの隙間から黒い粒などがしばらく出てきますがだんだん出てこなくなります。すすぎの水が透明になったら完成です。
このすすぎが弱いとチェーンにルブを注油したときにルブの成分を分解することがあるので念入りにすすいでください。
これで完成です。チェーンの隙間がものすごく綺麗になっています(手が汚くてすみません笑)
ちなみにこのチェーン、11速でおおよそ5000km以上走っていますがまだチェーンの伸びを確認するチェッカーでは「まだ交換しなくても大丈夫」のレベルです。
しっかりした洗浄と注油はチェーンの寿命を格段に伸ばします。
チェーンを外すのが面倒くさい、さっと洗浄したい方は洗浄機の使用もオススメです。
こういう洗浄機に洗浄液を入れてチェーンを回転させて洗浄機内で洗浄させます。チェーンは綺麗になりますがすすぎを念入りに。できるだけ水を多めにしっかりすすいでください。
2.ディスクブレーキの洗浄、音鳴り対策に
この「チェーンディグリーザーの素」はディスクブレーキまわりの洗浄にも抜群に効きます。この商品を使い始めたのはチェーン洗浄よりも「ディスクブレーキの音鳴り対策」でした。
まず作るのは250ccのお湯とスプーン1杯でつくる洗浄液です。
できあがったのがこんな感じの液体。
ブレーキパッドをサンドペーパーで撫でておくとさら洗浄効果が上がるので、取り出したブレーキパッドをサンドペーパーでこすって黒く汚れていた部分はこすりとりました。
ブレーキパッドの外し方は各メーカー、型番などによって違うので省略します。
このブレーキパッドの前後計4つを作った洗浄液の中に漬け込んで10分ほどおきます。
その待ち時間を使ってディスクローターの洗浄をします。ちょうどいいブラシがなかったので使い古した歯ブラシを持ってきて塗りました。
今はこういう刷毛を使っています。
ついでにスプロケにも塗り塗り。刷毛でこするとびっくりするほど汚れが落ちます。
さて、10分経ったのでブレーキパッドを取り出してホイールと一緒に装着。ローターなどにこすっただけで洗浄液はすでに真っ黒…
先週末に自転車を洗ったあと雨は一度も降らなかったのに汚れって付くものなのですね。
取り出したブレーキをしっかりすすぎます。熱湯だと乾燥も早いのでオススメです。スプロケやブレーキローターもしっかりすすいでおきます。
ディスクブレーキは油分や汚れの付着などで「キーキー」的な音鳴りが発生することがあります。この洗浄方法でかなり音が抑えられたり止まったりしますので是非試してみてください。
シルバーのスプロケットならこのくらい綺麗になります!
新品チェーンの初期グリスの脱脂洗浄に
新品のチェーンを使おうとするとネットリした油にコーティングされていることに気づくと思います。これは「初期グリス」と呼ばれチェーン製造時から使うまでの錆防止など品質保持のためにチェーンにしっかりと塗られています。
チェーンメーカーによってその濃さが違うようですが、Shimanoはかなり強く、その他のメーカーは幾分弱いのだとか。
この初期グリスは諸説ありますがそのまま使い続けると砂利なども巻き込んでチェーンのなかでコマの摩耗などにつながることも。私がおすすめするのは「初期グリスは最初にすべて脱脂洗浄してしまい、その後は洗浄とルブ塗布でしっかりとチェーンを守っていく」こと。
久しぶりに新品のチェーンを使うことにしたので、初期グリスの脱脂をやってみましょう。やり方は簡単です。
いつもどおりの洗浄液を熱湯で作って新品チェーンを放り込みシェイク、15分ほど放置しておきます。
15分ほどたって見たら黄色っぽいオイル成分が洗浄液に滲み出てきています。しかしこれを1度では取れないので2度めの洗浄です。
洗浄液は同じです。作ってシャカシャカして15分ほど放置です。
2度のシェイクでかなり保護オイルが落ちたようで、チェーンが脱脂されてサラサラに!
このあと自転車に取り付けて注油です。びっくりするほどサラサラと回転します。
チェーンディグリーザーの素を使って感じること
もう1袋分、洗浄に30回以上使いましたが不具合もなく良い商品だと思っています。
洗浄液が手につかないように、とのことで手袋は必要です。間違って手についたら流水でよく洗い流しましょう。
廃液は薄めてそのまま流してしまって良い、とのことだったのでバケツにお湯をくんで2杯ほどベランダ排水に流しました(ベランダ洗車なのです)特に床面の塗装へのダメージなどは見受けられませんでした。
商品は袋に入っていますが、100円均一で売っているようなキャップ付きボトルに入れ替えると便利に使えます。
ラベルを移植して作ってみました(笑)ちょうどキャップ半分がスプーン一杯ぶんなのでスプーンも不要になりました。
キレイなチェーンやスプロケットは見た目以上の効果!
汚くてドロドロのチェーンとスプロケット、綺麗でピカピカでしっかりチェーンルブを塗ったもの。
その違いは見た目だけではなく速度にも関わってきます。初期グリスがついたまま、ドロドロのスプロケットで走る場合と初期グリスを脱脂洗浄してサラサラチェーンにし、適正なチェーンルブを塗った場合とでは時速5km変わる、なんていう報告も。
でもこれはわかります。本当にギヤ1枚重いものが踏めるようになりますから!これは使ってみないとわからないと思います。ぜひ試してみてください!
新製品のチェーンルブも良い!
そしてGOTALさん、チェーンルブを出したんですがこれがまた良い!
私は試作品を使わせてもらったんですが、初めて使ったときはギヤ1枚軽くなった感じでした!
よく乾かしたチェーンに1コマづつさしていきます。もちろんですがルブ塗布前のチェーン洗浄がすごく大事です。
水置換性もあるため雨や泥にも強く、ブルベなどのロングライドで使う方の評価も良いようです。オイル自体はすこしネットリ系で持ちが良いです。
試作品を使い終わったので正規品を購入、もうこれ以外は使わなくて良いのではと思っています。
ペンのような形状なのでツールボトルにすっと差し込んでもっていけるのもグッド!
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